労務ニュース
保育所運営企業6,612社 業績動向調査【東京商工リサーチ】
2015/11/06 10:27
カテゴリ:経営・経済動向
保育所運営企業の売上高は2年連続で増収を達成し、利益も黒字企業の比率が高まったことがわかった。売上高別では5億円未満(構成比93.8%)が9割以上を占め、小規模事業者が中心だった。
法人格別では社会福祉法人(構成比93.3%)が9割以上を占め、市場拡大の担い手として参入が期待された株式会社は216社(同3.3%)にとどまった。
厚生労働省によると、今年4月1日時点の全国の待機児童数は2万3,167人に及び、5年ぶりに前年を上回った。少子高齢化のなか女性の社会進出促進など政策の後押しを受け、保育所市場は成長が見込まれている。だが、保育所運営を目的に設立された企業(新設法人)はこの5年間で2011年(165社)をピークに減少に転じ、2014年は43社にとどまった。景気拡大で大手企業が採用増に動いた反動もあり、給与水準の低さや過酷な労働環境から慢性的な保育士不足も影響していると推測される。
待機児童数の増加は、受け皿となる保育所の拡充が追いついていない裏返しでもあり、保育所運営企業の業績動向は今後、子育て支援政策の浸透度合いを測るうえでも注目される。
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