第38回 (平成17年4月号)
構内下請業者の社員が脳梗塞を発症!
過労の責任は?
構内下請業者の社員が脳梗塞を発症!
過労の責任は?
SRアップ21福井(会長:小玉 隆一)
相談内容
Y社長が就任するまでのH社は、社員が50名前後で、外注業者は一社もありませんでした。Y社長は、生産性があまりよくなかったH社を改革して、親会社に戻るという野望がありましたので、まずは人件費の見直しから着手し始め、社員が退職しても欠員を補充せず、外注業者に業務を発注(受注業務はH社の工場内で行なう)するようになりました。現在では社員数と外注業者の人員が拮抗するまでとなり、そこそこの利益が見込めるようになりました。
「外注業者がいくら働こうと、それはそれぞれの会社で管理すればいい、社員ならば労働基準法が適用になるから、やれ36協定だの、残業代などという話になるからな…」という具合に自画自賛の状態です。
ある日、外注業者A工務店(個人事業)のB社員が工場でいきなり倒れました。救急車で搬送された後、警察も現場検証に訪れました。ある警察官が倒れた社員のタイムカードを見て「おや、H社のタイムカードだね。A工務店の社員じゃなかったの?」といいました。Y社長は、「A工務店は構内下請業者ですので、まぁ人件費相当額をわが社に請求してきますから、チェックの意味合いで押させてるだけです。」と答えましたが、「ふ?ん、チェックねぇ、事故じゃないから我々は退散するが、過労だったらH社にも責任があるんじゃないの」と言われてしまいました。
相談事業所 J社の概要
-
- 創業
- 昭和48年
- 社員数
- 26名(パートタイマー10名)
- 業種
- 木材加工業
- 経営者像
建設会社の子会社として発足したH社のY社長は58歳です。もとは親会社の重役でしたが、5年前にH社の社長に就任しました。左遷ではありませんが、なんとか親会社に戻りたい一身で、さまざまな方法でH社の業績向上をアピールし続けています。
トラブル発生の背景
構内下請とはいいながらも、実態はH社の社員と同じように労務管理されていた形跡が見受けられ、人によってはライン作業に配置されているケースもありました。
各下請業者への支払は、それぞれの外注業者社員の総労働時間に単価を乗じた内容に基づく請求書によって行なわれており、万が一、外注業者組織に管理者がいない場合は、H社が指揮管理を行っているという話も聞きます
「外注だから…」という安易な発送と「いかにして責任回避するか…」という視点が、トラブル発生の際の対応能力を弱めてしまったようです。
経営者の反応
警察官が返った後、外注業者A工務店の社長が近づいてきました。
「万が一、労災ということになったらご支援お願いしますよ。御社のためにかなりの時間と労力をかけていることには間違いないのですから…」Y社長は「そんなことを言うもんじゃない!」とA工務店の社長を一括しましたが、内心穏やかではなくなってきました。
確かに外注業者を都合よくこき使っていた感はありますが、それは外注業者が本来管理すべきもので、わが社の責任はない、と自分を納得させるのに精一杯の感じです。 状況を見守っていたH社の総務部長は、まずは現状の改善が必要だと痛感しました。そのためにはY社長への稟議が必要です。確固たる改善策を示すために相談先を探すことにしました。
弁護士からのアドバイス(執筆:金井 亨)
まずH社と倒れたB社員との法律関係を整理してみます。H社とA工務店との間は請負契約、A工務店とBとの間には雇用契約が締結されていますが、H社とBとの間に直接の契約関係はありません。このことから原則としては、H社がBより何らかの債務不履行責任を問われることはありません。その意味で、「Bの管理は本来A工務店がすべきもので、H社に責任はない」というY社長の言い分にも一理あります。しかし、果してH社には何の責任も生じないと言えるか、検討してみる必要がありそうです。
●不法行為責任
現行法上は次のような規制があります。 労働安全衛生法上は、元方事業者は関係請負人及び関係請負人の労働者が当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行い、違反していると認めるときは是正のため必要な指示を行なわなければならないとされています(二九条一、二項)。また、建設業に属する事業の元方事業者は、土砂等が崩壊するおそれのある場所、機械等が転倒するおそれのある場所その他において関係請負人の労働者が当該事業の仕事の作業を行うときは、当該関係請負人が講ずべき当該場所に係る危険を防止するための措置が適正に講ぜられるように、技術上の指導その他の必要な措置を講じなければならないとされています(二九条の二)。
従って、元方事業者たるH社がこれらの規定に違反した結果、関係請負人A工務店の労働者Bに労働災害が発生した場合は、H社は不法行為による損害賠償責任を負うことになります。
● 労災補償の限界
労災補償制度による補償は、被災労働者の被った損害の全てをカバーしているわけではありません。全損害の回復を求めるならば、損害賠償請求によるしかないのですが、前述の安衛法違反を理由とする不法行為による損害賠償を請求する場合は、請求するBが、元方事業者H社の故意・過失を主張立証しなければなりません。しかし、安衛法違反のH社の不法行為によりBが過労により倒れるという因果の流れを立証することは難しいかもしれません。一方、労基法八七条一項が、実質的には元請負人が使用者として指揮監督を行うという点にその根拠を措いていることを敷衍すれば、一定の場合には下請業者の労働者が元請業者に対し、直接債務不履行による損害賠償を求め得ることも考えるべきでしょう。
● 安全配慮義務
果たして、最判平三・四・一一、三菱工業神戸造船所事件では、下請企業の労働者が元請企業の造船所で社外工として働くにあたって、元請企業の管理する設備・工具などを用い、事実上元請企業の指揮・監督を受けて稼動し、その作業内容も元請企業の従業員である本工とほとんど同じような事実関係の下では、元請企業は下請企業の労働者との間に特別な社会的接触の関係に入ったもので、信義則上、右労働者に対し安全配慮義務を負うと判断されました。
この安全配慮義務というのは、本件でいえばH社がBに対して負担している債務であり、H社に安全配慮義務違反があるとされれば、債務不履行による損害賠償責任を負います。そして、この場合は、BはH社に安全配慮義務が発生するような事情を主張立証することになります。即ち、Bは、前記最高裁がいうように、例えば、?元請企業H社の管理する設備・工具を用いていたか?事実上元請企業H社の指揮・監督を受けて稼動していたか?作業内容も元請企業H社の従業員である本工とほとんど同じだったか等を主張立証すればH社にはBに対する安全配慮義務が認められます。そして、安全配慮義務違反行為とBが倒れた事実との間に因果関係が認められれば、今度はH社のほうで債務不履行には責任がないことを主張立証しなければなりません。その他時効期間も違うということが指摘されています(不法行為の場合は三年・債務不履行の場合は五年又は一〇年)。
● さて、本件の場合は…
これを本件についてみますと、H社は、A工務店の社員Bにもタイムカードを作成し、請負代金はその総労働時間に単価を乗じて支払っていたこと、A工務店に管理者がいない場合は、H社がBの指揮監督を行っていたこと、Bは実質的にH社の社員と同じ作業をしていたことなど、H社がBに対し安全配慮義務を負っていたと認定される可能性は十分にあります。そして、Bが就労中に倒れたということですから、H社には何らかの安全配慮義務違反行為があり、倒れたこととの因果関係もあるとされる蓋然性は高いと言えるでしょう。そうなると、今度はH社のほうでBに対する安全配慮に怠るところはなかったということを主張立証していかなければなりません。
● 対策
以上のように、H社が構内下請業者A工務店の社員Bの労災に全く責任を負わないとは言えないのです。従って、このような責任を免れようとするなら、まず第一に指揮監督権をBに対して行使することのないようにしなければなりません。よく、下請業者との請負契約に、下請業者の社員の指揮監督は下請業者が行うとの一項を入れてある契約書を見ますが、問題は契約書にどう書いてあるかではなく、労働の実態はどうであったかであり、実態として元請企業が下請業者の社員を指揮監督していれば、安全配慮義務を免れ得ないこともあります。また、使用する設備・工具や、本工との作業内容の区別を明確にしておかなければならないのです。
社会保険労務士からのアドバイス(執筆:小玉 隆一)
今回の相談に似たケースで近年、構内下請業者による労災事故並びに過重な労働が引き金となって脳・心臓疾患を発症し死亡する「過労死」が徐々に増加する傾向にあります。
どちらも様々な原因が考えられますが、今回は構内下請に対する労働法上の注意点、監督責任(安全管理)、過労の防止策(衛生管理)、構内下請業者に対する労務管理といったポイントをY社長に対してアドバイスしました。
? 構内下請に対する労働法上の注意点 まず、H社とA工務店との関係を整理してみましょう。両社の間では請負契約が締結されているようですが、実態としてはH社の構内で受託した業務を処理し、H社の社員同様の労務管理が見受けられ、請負代金も時間で計算されていたなどの観点から、完全な「請負」ではなく「業務委託」ではないかと判断されます。ここで「請負」と「業務委託」の簡単な違いを述べると「請負」とは、一般的に発注元企業から一定の業務処理を請け負い、請負企業が自社の労働者を自社の事業場で自社の指揮命令下に労働させて成果物もしくは完成物を納品することをいい、「業務委託」とは受託企業が請け負った業務を遂行するために、自社の労働者を委託企業の事業場で受託企業の指揮命令下に労働させることを言います。(H社とA工務店の関係は業務委託と考えられますが、指揮命令の事実・請負代金の時間単価計算等から「派遣」と判断される可能性もあります)
これを機に契約内容および今後の業務処理の体制・管理方法等について見直す必要があります。(派遣と請負に関する詳細な区分は、昭和62年4月17日労働省告示第37号「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分基準の具体化、明確化についての考え方」を参考)
? 監督責任(安全管理)および過労防止策(衛生管理) 先の弁護士の説明にもあったように、H社は元方事業者として関係請負人(A工務店)及び関係請負人の労働者へ労働安全衛生法令に違反しない指導と、違反している場合は是正させる義務を負っていますので、安全衛生管理についても十分な措置を取る必要があります。今般、労働政策審議会が特に製造業等における労働災害防止措置と過重労働・メンタルヘルス対策の充実について厚生労働大臣に建議し、法令改正が行われるようですのでこの内容を参考に今後の安全衛生管理の対策を講じていただきたいと思います。 (平成16年12月27日、労働政策審議会安全衛生分科会:労働安全衛生対策に関する報告を参照)
■事業者による自主的な安全衛生への取組
安全衛生委員会等の設置については、労働安全衛生法により常時50人未満の事業場であれば設置する義務はないが、労働安全衛生規則では第23条の2に「委員会を設けている事業者以外の事業者は安全又は衛生に関する事項について、関係労働者の意見を聴くための機会を設けるようにしなければならない」と規定しており、努力義務ではあるが厚生労働省は関係労働者の意見を聴くための機会を設けるとは、「安全衛生の委員会、労働者の常会、職場懇談会等労働者の意見を聴くための措置を講ずることをいうものであること」(昭和47.9.18 基発601号の1)と述べています。当該H社においても元方事業者の責任として下請業者を含めた安全衛生委員会の設置を行い、災害防止策の検討・実施を早急に行うことを提案し、構内下請業者に対しても自主的な管理、活動をするよう支援指導するようアドバイスしました。
■元方事業者等を通じた安全衛生管理体制の実現
近年、製造業等においては、構内下請の増加により元方事業者及び請負人の労働者の混在作業による危険が増大していますが、これに伴い、元方事業者が元方事業者と請負人との間又は請負人相互間の連絡調整を十分に行わなかったこと等を原因として、元方事業者及び請負人の労働者が被災する労働災害が発生しています。このため、元方事業者においては混在作業によって生ずる労働災害を防止するため、作業間の連絡調整、合図の統一等必要な措置を講じなければなりません。例えば、施設・設備の管理権限に関する安全衛生対策として施設・設備の状況、安全衛生に関する情報(作業方法、安全衛生教育等)を請負人に提供する、また危険性・有害性等当該作業について注意すべき事項等の情報を文書などで請負人に提供することなどを実践徹底するようH社にアドバイスしました。
■過重労働・メンタルヘルス対策
報告では、「現在の医学的知見によれば、長時間の時間外労働など労働者に過重な労働をさせたことにより疲労が蓄積している場合には、脳・心臓疾患発症のリスクが高まるとされていることから、これらの過重労働による健康障害を防止するためには、適正な労働時間管理と健康管理に加え、長時間の労働による負荷がかかった労働者についてその健康の状況を把握し、適切な措置を講じることが必要である。」と述べ、とくに残業が月100時間を超え、疲労の蓄積が認められる労働者で面接指導を申し出た者については、事業主は医師による面接指導等の措置を行わなければならないと提言しています。メンタルヘルス対策の面でも、適切かつ有効な実施を図るためにメンタルヘルス教育の実施、相談体制の整備、外部機関の活用等を今後法律に基づく指針で示すよう求めています。
H社をトップとするA工務店はもちろん他の下請業者を含む全体で適正な労働時間の管理を実施し、また健康診断結果等に基づく労働者の健康状況を日頃から把握し、今後できれば産業医等を選任し定期的な点検指導を行える体制・環境の整備に努めていただきたいと思います。
? 構内下請業者に対する労務管理
今回のA工務店の社員が工場で倒れた脳梗塞のケースでは、労災認定されるかどうかについては、「業務遂行性」と「業務起因性」の両面から判断されることになり、業務遂行性については被災したときに事業主の支配下にあり業務に従事していたようなので認められると思いますが、業務起因性については業務と疾病(今回は脳梗塞)の間に相当因果関係がある場合にはじめて業務上の疾病として取り扱われることになります。最終的に業務の過重性の評価に当たっては、労働時間、勤務形態、作業環境、精神的緊張の状態等を具体的かつ客観的に把握し、検討し、総合的に判断することになるので今回のA工務店の社員について詳細な実態が把握し切れていない状況では労災か否かの判断はしかねますが、A工務店においては今後、労働時間の適正な管理と労働者の健康状態のチェック、悪化防止への配慮等の対策を講じる必要があります。当然、就業規則、36協定などの整備にも努め企業として安全配慮義務の責任を果たすことが重要です。
税理士からのアドバイス(執筆:鈴木 智茂)
本件では、A工務店の社員が倒れて、警察の現場検証等があったことにより、H社の構内労働に関する実状が明らかになったわけですが、税務においては税務調査を受ける前に、きちんと疎明資料を完備しておく必要があります。先ず、A工務店の労務管理に関する基礎書類の件です。事例ではH社のタイムカ?ドを使っていたとのことですが、このままでは税務調査の時に、実は構内で働いている方が全てH社の従業員ではないかという無用のトラブルを生じかねません。仮に何も疎明資料がなくH社と雇用関係がある従業員ということで認定されますとA工務店に支払う金額に対して所得税の源泉徴収義務が発生し、賦課決定をされると源泉所得税本税もさることながら不納付加算税という無用の出費が必要となってしまいます。さらに、A工務店への支払が給与とはいかないまでも、H社に出向しているA工務店の従業員の出向負担金と認定されてしまうと消費税法上の課税仕入れに係わる税額控除の対象からも外れてしまいます。従って、税務調査を受けたときの無用のトラブルを避けるためには、H社の構内でH社と同じ器具、用紙のタイムカ?ドを使用するとしても、H社の社員ではなく、A工務店の従業員であることが、一目瞭然にわかるようにしておき、さらにH社とA工務店においてきちんと請負契約書を作成し、業務内容、H社での構内労働者に対する時間管理の方法を決めておくことが必要となります。このように、雇用契約であれば支払側に源泉所得税の徴収義務が生じますし、支払額が給与ということになりますので、消費税の課税仕入等の控除を受けることは出来ません。
一方、請負契約ということであれば、支払先が事業者ということになりますので、所得税の源泉徴収義務は生じませんし、消費税の課税仕入等の控除の対象にもなります。ここで少し消費税のことに触れておきますと、A工務店のような個人事業たる下請業者としては、平成16年4月1日以後に開始する課税期間より、消費税が免税となる課税売上高は、3,000万円以下から、1,000万円以下に引下げられておりますので、基準期間の課税売上高、即ちその年の前々年度の課税売上高が、1,000万円を超えているかどうかによって消費税の納税義務を判定することになります。この場合、初めて消費税の課税事業者となる場合には、その事業者の基準期間における課税売上高の算定にあたっては、免税事業者であった基準期間である課税期間中に当該事業者が国内において行った課税資産の譲渡等に伴って収受し、又は収受すべき金銭等の全額(つまり、消費税込みの金額)が当該事業者のその基準期間における課税売上となることに注意して下さい。そして、前述の判定により、消費税の課税事業者に該当する場合には、速やかに「消費税課税事業者届出書」を提出し、また、簡易課税制度を採用しようとする事業者の方は「消費税簡易課税選択届出書」を原則として、その適用しようとする年分の課税期間の初日の前日までに提出しておかなければなりません。
ただ平成16年4月1日以後の最初に開始する課税期間において新たに課税事業者になる事業者については、特例で当該最初に開始する課税期間中に提出すれば、その課税期間の初日の前日に提出したものとみなすこととなっています。また、簡易課税制度を採用しない事業者の方は、課税仕入等について一定の事項を記載した帳簿と請求書等の保存が要求されますので注意して下さい。
さて、次に本件のような不慮の事故が起きてしまった場合においては、A工務店自身が加入する労災保険の適用を待つことになるのでしょうが、個々の企業のリスク管理上、種々の民間の損害保険会社が提供する傷害保険等に加入するケ?スが増えています。最近は、グル?プ傷害保険等、企業のニ?ズに合わせて様々な商品が開発されており、保険給付申請に際して、労災保険のように細かい申請書類の提出が不要なため、突発的な従業員の傷害に対して素早い対応が求められる場合には、このような保険がお勧めです。
さらに、このような個人事業主が、従業員のために傷害保険に加入した場合の課税関係をみてみましょう。先ず契約者が、個人事業主で、全従業員を被保険者として加入した場合には、保険金の受取人を誰にするかによって課税関係が変わってきます。傷害保険金を従業員、満期保険金を事業主、死亡保険金を事業主又は従業員の相続人とした場合には、保険料の内、損害保険料部分は、期間の経過に応じて「支払保険料」として必要経費に算入することが出来、積立保険料部分は、「積立保険料」として、資産計上しなければなりません。また被保険者を特定の従業員のみにした場合は、保険料の金額がその被保険者の給与として必要経費に算入されますが、所得税の源泉徴収が必要となります。さらに、保険給付事由が発生し、保険金を受取った場合には、保険金受取人が誰かによって課税関係が変わってきます。先ず、全従業員を被保険者とする場合ですが、傷害保険の受取人は従業員になり、満期受取人は事業主になります。前者は「身体の傷害に起因して支払を受けるもの」に該当し非課税、後者は一時所得として課税対象になります。また死亡保険金は、受取人を個人事業主にも従業員の遺族にもする事が出来ますが、前者の場合には個人事業主の事業所得の総収入金額に算入され、後者の場合には従業員の遺族の相続税の対象となります。最後に、特定の従業員を被保険者とした場合ですが、この場合は、傷害保険金は非課税、満期保険金は従業員の一時所得、死亡保険金は、従業員の遺族の相続税の対象となります。
社会保険労務士の実務家集団・一般社団法人SRアップ21(理事長 岩城 猪一郎)が行う事業のひとつにSRネットサポートシステムがあります。SRネットは、それぞれの専門家の独立性を尊重しながら、社会保険労務士、弁護士、税理士が協力体制のもと、培った業務ノウハウと経験を駆使して依頼者を強力にサポートする総合コンサルタントグループです。
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SRアップ21福井 会長 小玉 隆一 / 本文執筆者 弁護士 金井 亨、社会保険労務士 小玉 隆一、税理士 鈴木 智茂